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新BizLabo通信第24号:経営デザインシートに関する一考察(6)ブルーオーシャン戦略

このブログにたどり着いていただいた方でしたら、きっとブルーオーシャン戦略という言葉をお聞きになられた方は多いのではないかと思います。

 

ブルーオーシャン戦略って、意外に誤解されているみたいなのですが、ニッチとかスキマとかそういうニュアンスとはちょっと違うんですよね。

 

ブルーオーシャン戦略では、競争のない世界を創造します。つまり、新たな市場を創造していくわけです。

ブルーオーシャン戦略に対してレッドオーシャン戦略がありますが、この2つには次のような違いがあります。

 

 

(レッドオーシャン戦略)

・既存の市場空間で競争する

・競合他社を打ち負かす

・既存の需要を引き寄せる

・価値とコストの間にトレードオフの関係が生まれる

・差別化、低コスト、どちらかの戦略を選んで、企業活動すべてをそれに合わせる

(ブルーオーシャン戦略)

・競争のない市場空間を切り開く

・競争を無意味なものにする

・新しい需要を掘り起こす

・価値を高めながらコストを押し下げる

・差別化と低コストを共に追求し、その目的のためにすべての企業活動を推進する

(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著「ブルーオーシャン戦略」より引用)

 

上記は著書からの引用で元は対比表になっているのですが、レッドオーシャンは既存市場で競合他社との競争で差別化or低コスト戦略、ブルーオーシャンは競争相手のいない新たな価値(新市場)を自ら開拓し価値とコストを共に追求していく戦略という感じですね。

要するに、ブルーオーシャン戦略は新たな価値提案による新市場の創造の戦略です。

 

著者であるW・チャン・キム&レネ・モボルニュ両先生は、「ブルーオーシャン・リーダーシップ(ハーバードビジネスレビュー)」の中で、次のようにおっしゃっています。

以下引用です。

 

「多くのビジネスリーダーたちが、自社の資産と組織能力を念頭に置きながらビジネスチャンスを探す。彼ら彼女らは、「我々にあるのはこれとこれで、その強みを最大限に活用できる最善策は何か」をと自問するだろう。しかし、事業を構想する際、現在に制約される必要はない。」

 

「コア・コンピタンスから出発してしまうと、やはりレッドオーシャンにとどまっていた方がよいという結論になりかねないばかりか、いつまでたってもブルーオーシャンを見つけられない。」

 

経営デザインシートで将来の価値創造メカニズムをデザインするにあたっては、現状を精緻に分析して強みやコア・コンピタンスをを起点に最大限に活用したところでレッドオーシャンから抜けられない、ということ・・・か。

両先生、けっこう衝撃的です・・・(^^;

      

なるほど、経営デザインシートで将来構想をデザインする(C)欄でバックキャスティング推しなのは、こういう理由もあるのかもしれませんね。